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根っこから腐り切った地方行政・・・

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 地域振興の為に長崎県旧奈良尾町で企画開催したトライアストン大会が、筆者の人生の宝物となっている。

 僅か3800人ほどの町に足を踏み入れると、皆が快く受け入れてくれ、採れ立てのウニ、石鯛の皮焼き、上五島特有のちゃんぽんと・・・思い出すだけで、よだれがこぼれ落ちるほど、愛情がこもった美味しい料理を振舞ってくれた。

 当時、上五島では5ケ町(新魚目町、上五島町、有川町、若松町、奈良尾町)あり、同島では若者が高校卒業すると、ほとんど島外へ、更には県外へと出て行ってしまう。そこで、加速度を増す過疎化に頭を痛めていた同町観光協会の笹田専務理事(故人)が来熊し、当時の交通センターホテルで相談に乗ったことを、昨日のように覚えている。

 筆者は、熊本の新聞社に勤務していたけれども、長崎県上五島へ上陸し、他県での「トライアスロン in 奈良尾」企画開催を決意したのは、その島の人たちの熱意が伝わって来たからだが、実は、新聞社内ではあまり良い反応ではなかった。理由は、他県にも地元新聞社がある訳で、それを飛び越えてイベント開催など以ての外と言うことになる。

 地域興しのキーワードを、自分なりに「差別化」、「突出」、「地域の潤い」とし、1年3ヶ月を経て、同大会の開催に漕ぎ着けた。この15ヶ月間の準備期間に、いろんな横槍も入って来た。最後の調整会議にて、ネガティブ人間が「もし事故があったら困るので、取り止めましょう!」という心無い発言に、筆者の頭から血が吹き出した。

 若気の至りで、テーブルを両手で叩き、その人物の弱腰に食いついた。15ヶ月間頑張って来た関係者が愕然とするような、及び腰発言。何とも情けなかったが、最終的に、その軽々な発言をした人物は皆に深々と頭を下げて、深謝した。空気を読めない人物は、どこにでも居るけれども、自腹で7回も島に渡り、実現に向けてひた走って来た筆者が激昂するのは当然のことだった。

 このようなハプニングは大なり小なりあるものの、地域振興のための「トライアスロン in 奈良尾」は、どうにかこうにか、翌年6月開催に漕ぎ着けた。現在も、熊本県内を取材で走り回る中でも、このようなネガティブ発言や、人事権の濫用でぎくしゃくした地方行政の醜態を垣間見ることもある。

 地方において、少数の人間に権力が集中すれば、助成金でもイベントでも公共施設管理問題でも、全てに歪みっぱなしの空白の時が過ぎて行くことになる。昨年も夏場に、某町公的施設のテナント虐め問題が浮上し、結局、行政側担当者の悪意に満ちた屁理屈により、老夫婦が長年営んでいた人気食事処が強制的に追い出されたのである。

 公明正大に地方行政が行わなければ、決して良い結果が出るはずもなく、地域が潤うはずがない。そこにはオンブズマン制度も存在せず、行政という大木が根から腐っていることさえ、話題にもならぬ状況だ。そこには、御多分に洩れず、議員の厳しい監視の眼なんぞ皆無の状態であり、既得権益者は裏でコソコソと、蓮の根っこのように、皆が連なっている。

 公的施設の指定管理者制度においても、「非公開」という文字が並ぶのに、誰も異論を投じないところが不思議でたまらない。勿論、腐った状態を放置しているのは、マスコミ側の鋭いメスがなくなってしまった事も大きな要因と言えようが、それ以上に、気骨ある人物が少ないことが嘆かわしい。

 それに比べ、前述の「トライアストン in 奈良尾」では、町長以下、皆、素晴らしい人物ばかりで、町会議員を11期務めたご老体(当時90歳)も、地域振興の為に、ガラス張りを大前提に、迅速、且つ、大胆に支えてくれたのであった。

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  • posted by Chikao Nishida at 2018/8/1 04:45 am

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